災害時の日常生活の注意点

こうまつ循環器科内科クリニックで人工透析治療を受けている患者さまへ


災害時は充分な透析治療ができなくなることを考慮し、食事管理を普段より厳しくすることが求められます。

災害発生時には、どのようなことに気をつけて食事をとれば良いか知っておきましょう。

災害時の想定される状況


次のような状況になったときに、日々の生活をどのように過ごすのか事前に考えておきましょう。

  • 透析が数日間受けられない
  • 透析回数と透析時間の減少
  • 食料の不足や支援物資の利用

食事の災害対策(基礎編)


食事の基礎知識を身につけ、正しく食事の管理をしましょう。

注意するポイント 注意を怠った場合の影響
エネルギーを確保する → 不足すると尿毒症や高カリウム血症に
カリウムを摂りすぎない → 摂りすぎると高カリウム血症に
たんぱく質を摂りすぎない → 摂りすぎは尿毒症に
塩分を控える → 摂りすぎは水分の摂りすぎに
水分量を控える → 摂りすぎは肺水腫に

平常時と災害時の栄養量の比較

(1日あたり、体重50kgの場合)

こうまつ循環器科内科クリニック 平常時と災害時の栄養量比較

【飲水量について】

例えば、尿量が100mlの場合、平常時は「尿量100ml+500ml=600ml」、災害時は「尿量100ml+300ml~400ml=400ml~500ml」が目安となります。

食事の災害対策(応用編)


災害時に支給が予想される食品の栄養成分です。あらかじめ食品に含まれる栄養成分量を知っておきましょう。

こうまつ循環器科内科クリニック 災害時に支給が予想される食品の栄養成分量

エネルギーがしっかりあってカリウムが控えめなのは、おにぎり・あんぱん・ジャムパンです。

反対に、低エネルギー・高カリウムの食品はダントツでトマトジュース、次いで野菜ジュース・バナナです。

しかし、救援物資が不足している場合は、エネルギー確保のために手に入るものは摂るようにしましょう。

非常食の献立例

透析患者用の特殊食品と、一般に販売されている保存食を組み合わせ、非常時の食事対策をしておくと良いでしょう。

こうまつ循環器科内科クリニック 非常時の献立例