フットケア


フットケアとは、足の爪を切るほか、保湿などのスキンケアやマッサージ、皮膚病の治療を行うことを指します。

 

透析患者さんの場合は、糖尿病や高齢患者さんの増加により、様々なハイリスク要因を抱え、場合によっては、小さな傷からある日突然、足の一部が黒色化し、あっという間に切断にいたることもあります。

これは、末梢動脈疾患(PAD)が重症化した状態である、重症下肢虚血(CLI)を合併している患者さんが増加していることが背景にあります。

そのため、透析患者さんでは日常のフットケアは大変重要で、当クリニックでも取り組んでいます。

透析患者さまの具体的な足の変化


  • 膝下よりも末梢側の足趾先端にかけて病変が起こりやすい
  • リンなどのコントロール不良に伴い、動脈の中膜に骨化・石灰化が強く起こり、それによる血流不良や血圧不安定を招きやすい。
  • 血管病変は、全身に起こるため、冠動脈や脳血管疾患を合併する比率が高い。
  • 栄養不良に陥りやすく、皮膚が脆弱で創傷が治りにくい。
  • 長期透析や糖尿病の合併などにより筋委縮が起こりやすく、下肢筋力の低下や関節可動域の縮小が見られる。
  • 足の関心が薄かったり病識が乏しかったりすると、足病変の進行に気付かず、重症化することが多い。

透析患者さまの足の特徴とリスク


  • 免疫力の低下
  • 足の血流が悪い
  • 足の感覚が鈍い
  • 皮膚が薄く傷ができやすい
  • 傷が治りにくい
  • 止血が悪い(場合によっては出血傾向)
  • 握力や視力などの低下
  • 判断力の低下
  • 関節の可動性や筋力の低下
  • 様々な薬の服用

起こりうる様々な下肢状態


  • 浮腫
  • 乾燥・亀裂
  • 胼胝(たこ)・鶏眼(うおのめ)
  • 陥入爪
  • 足白癬症
  • 蜂窩織炎
  • 足壊疽

遠赤外線治療


下肢末梢動脈疾患(PAD)の改善やバスキュラーアクセスの長期的開存・疼痛緩和を目的に製作された遠赤外線治療機を用いた遠赤外線治療をおこなっています。

この治療により下記の効果が期待できます。

  • 冷感の消失
  • 圧痛の消失
  • 足のしびれの消失
  • 跛行の改善

上記は、日本フットケア・足病医学会においても同じ治療機を用いた場合の効果として報告されているものです。