透析治療をうける患者さまにとって、「生涯の生活の質をいかに向上させるか」は重要な課題です。
当クリニックでは、この重要な課題に向き合うためには透析治療そのものだけではなく、透析治療以外の看護アプローチにも積極的に取り組むことが必須だと考えています。
透析患者さんは、疲れやすく、筋力や持久力が低下している場合が多く見られます。
その原因として、腎性貧血、尿毒症、全身の炎症、糖尿病、心血管病などの合併症、血液が酸性になる代謝性アシドーシスによる障害、透析の制限による低栄養状態(摂取不足、アミノ酸や蛋白質などの漏出)、透析治療に関連した炎症性反応など多くのものが挙げられます。
筋力や持久力の低下は、感染症や心血管疾患、虚弱、抑うつなどを引き起こし、またそれらが筋力や持久力の低下を招く悪循環を引き起こすことが知られています。
当クリニックでは、患者さまの生涯の生活の質の向上を目指して「腎臓リハビリテーション」に取り組んでいます。
腎臓リハビリテーションとは、すべての腎臓病患者さんの円滑な社会復帰を支えるための「運動療法、栄養療法、心理的サポート、教育」などによる長期的な包括的プログラムです。
腎臓リハビリテーションは、『透析患者さんがいきいきとした生活が送れ、長生きできるようにサポートすること』を目的としています。
透析治療の基本的なしくみや最新情報をわかりやすく勉強会を通してお伝えします。患者さまの理解がより良い治療には不可欠です。
様々な機会に声掛けしながら、身体的な状態だけではなく患者さまの背景や精神的な状態を踏まえて心理的なサポートに努めています。
インスリンの在宅管理、血糖検査の記録チェック、運動をどの程度しているかなど、管理栄養士と共に食事の把握とアドバイスをしています。