透析液が清浄化されていない状態で使用されると、体内ではさまざまな生体防御反応・免疫反応が起こります。
その生体防御反応は、さまざまな急性または慢性的合併症を引き起こすことが知られています。
このため、人工透析治療に使用される水は様々な処理が施され、可能な限りきれいに清浄化された状態で透析液として使用される必要があります。
当クリニックでは、透析用水や透析液の清浄化に取り組んでいます。
当クリニックでは、セントラル透析液供給システム(CDDS:Central Dialysis Fluid Delivary System)を設備し、透析液の清浄化をおこなっています。
RO装置内を常に無菌状態するために、活性炭(カーボン)フィルター以降は定期的に熱水消毒を行います。
装置タンク内の細菌は死滅し、常にクリーンに保たれます。
透析液には様々な物質が含まれており、長時間使用すると配管内の汚染が起こります。
そのため、当クリニックでは毎日、薬液を用いた洗浄・消毒をおこなっています。
洗浄消毒剤としてECO200(次亜塩素酸ナトリウム)、サナサイドEP(過酢酸)を用いて、配管内の細菌除去、バイオフィルムの形成を抑制しています。
熱水消毒や洗浄消毒剤を用いても、完全にクリーンな状態には出来ません。
そのため、当クリニックでは逆浸透水処理(RO)装置には限外濾過膜(UF膜:Ultrafiltration membrane)を設置し、各透析用監視装置にはエンドトキシン補足フィルター(ETRF:Endotoxin Retentive Filter)を用いる多段フィルターシステムで透析液清浄化を構築しています。
最終的に透析液を供給する役割を果たす人工腎臓(ダイアライザー・ヘモダイアフィルター)への接続部の透析液カプラーを定期的に洗浄・消毒をおこなっています。
逆浸透水処理装置、多人数用透析液供給装置、透析用監視装置などの清浄化が保たれているか定期的に検査を行い、継続的に監視しています。