透析看護


患者さまの生涯の生活の質にかかわる透析看護


透析治療をうける患者さまにとって、「生涯の生活の質をいかに向上させるか」は重要な課題です。

当クリニックでは、この重要な課題に向き合うためには透析治療そのものだけではなく、透析治療以外の看護アプローチにも積極的に取り組むことが必須だと考えています。

透析患者さんは、疲れやすく、筋力や持久力が低下している場合が多く見られます。

その原因として、腎性貧血、尿毒症、全身の炎症、糖尿病、心血管病などの合併症、血液が酸性になる代謝性アシドーシスによる障害、透析の制限による低栄養状態(摂取不足、アミノ酸や蛋白質などの漏出)、透析治療に関連した炎症性反応など多くのものが挙げられます。

筋力や持久力の低下は、感染症や心血管疾患、虚弱、抑うつなどを引き起こし、またそれらが筋力や持久力の低下を招く悪循環を引き起こすことが知られています。

当クリニックでは、患者さまの生涯の生活の質の向上を目指して「腎臓リハビリテーション」に取り組んでいます。

「わが国の慢性透析療法の現況(慢性透析患者 死亡原因と性別 2017)」
慢性透析患者 死亡原因と性別 2017 ※クリックして拡大
「わが国の慢性透析療法の現況(慢性透析患者 死亡原因割合の推移 1983-2017)」
慢性透析患者 死亡原因割合の推移 1983-2017 ※クリックして拡大

腎臓リハビリテーションとは


腎臓リハビリテーションとは、すべての腎臓病患者さんの円滑な社会復帰を支えるための「運動療法、栄養療法、心理的サポート、教育」などによる長期的な包括的プログラムです。

こうまつ循環器科内科クリニックの腎臓リハビリテーション

腎臓リハビリテーションの目的


腎臓リハビリテーションは、『透析患者さんがいきいきとした生活が送れ、長生きできるようにサポートすること』を目的としています。

  • 腎疾患や透析治療による身体的・精神的影響を軽くする。
  • 息切れや疲れやすさなどの症状を軽くする。
  • 生命予後を改善する。
  • 心理的・社会的・職業的な状況を改善する。

運動療法


適度な運動をすることは、つまずきの防止や筋力の維持・増強・運動能力の増加に繋がり、生活の質が改善したり、寿命が延長するといった効果があります。

栄養療法


管理栄養士が患者さま一人ひとりの栄養状態をもとに、嗜好などの食習慣や生活習慣にあわせて必要な栄養を正しく摂取できるようサポートします。

フットケア


静脈の状態や触診による足の脈のチェックとともに、足の状態をチェックし、保湿などのスキンケアやマッサージ、皮膚病の治療をおこないます。


教育


透析治療の基本的なしくみや最新情報をわかりやすく勉強会を通してお伝えします。患者さまの理解がより良い治療には不可欠です。

心理的サポート


様々な機会に声掛けしながら、身体的な状態だけではなく患者さまの背景や精神的な状態を踏まえて心理的なサポートに努めています。

糖尿病管理


インスリンの在宅管理、血糖検査の記録チェック、運動をどの程度しているかなど、管理栄養士と共に食事の把握とアドバイスをしています。